承継開業のメリット・デメリットは?
クリニック開業で求められること【その1~6 】では、
開業までの着目ポイントなどを取り上げました。
また、【 その7~8 】では、
具体的な新規開業案件を取り上げました。
そして今回【 その 9 】では、
承継開業頂くことでのメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
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≪ 承継開業のメリット ≫
メリット①
初期費用を抑えられる
⇒ただし、機材や内装などが古い場合は、
買い替えたりメンテナンスを行う必要があります。
そのため、場合によっては新規開業と同等の
初期費用が必要になる可能性もあります。
固定資産台帳や減価償却累計額なども事前に
確認する必要があるかと思います。
メリット②
初年度からある程度の売り上げを見込める
⇒ただし、医師が変わることで一部の患者様は離れられる可能性もあります。
それを見越して、新患を確保する対策も練ることになります。
メリット③
スタッフを引き継ぐことができる
⇒最終的にはスタッフご自身の判断となるため、
見込んでいたスタッフを引き継げない可能性もあります。
新規採用されることも念頭に入れておくと良いです。
メリット④
すでに地域で認知されている
⇒クリニックがあることは認知されていますが、
クリニック名も変わることで、患者様も最初は慎重になると思います。
内覧会などを行い、承継されることを周知する動きも必要です。
メリット⑤
開業準備期間を短縮できる
→改装が必要な場合は、開業時期が先になる可能性もあります。
また、厚生局や保健所などへの申請に時間がかかることが
ありますので、早めに申請手順は確認する必要があります。
承継開業、新規開業それぞれメリット、デメリットがあります。
開業案件自体はご縁次第とも言えますが、
何をポイントにするかによって、選択したいところです。
最後に承継クリニック案件事例をあげてみます。
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◆東海北陸地域
※クリニック周辺は団地などの住宅街
◆一般内科クリニック
◆開業されて30年弱
◆院長先生が体調を崩されたことから承継をお考え
◆現時点では後継者なし
◆譲渡希望時期は3ヶ月から6ヶ月後
◆譲渡後1年間は、院長先生は非常勤医として勤務希望
◆外来1コマあたり30名程
◆従業員は引継可能(ご本人のご意向次第)
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この内容だけからも、いろいろ考えられるポイントがあります。
メリットやデメリットを考えながら、
開業した場合のイメージを膨らませてみると面白いと思います。