医師の皆さんは、業務の効率化に向けて心掛けていることはありますか?
もちろん、医療は安全が第一なので、効率化だけを追うことは許されないでしょう。
ただ、他のドクターの働き方や職場環境は参考になるかもしれません。
在宅医療を展開する法人の理事長は、業務分担を徹底しています。
以前は、介護施設で20人-25人の集団診療をする場合、
午前9時に施設に到着し、30分の申し送り後、3時間の診療を行っていました。
診療内容や処方せんの確認、各種書類の作成を終えるころには、
昼食を取らなくても、午後2時半になっていました。
そこで、理事長は多職種の役割を見直すことにしました。
それまで業務全体の約4割を在宅医が行っていたのを、2割まで減らしました。
2割の業務は、同行する看護師や診療アシスタントに割り振りました。
介護施設にかかわる薬剤師にも、処方せんのチェックや疑義照会を強化してもらい、
多剤処方を見直すなど、チームアプローチで診療時間を圧縮し、内容も濃くしたのです。
看取りでも、施設の看護師や介護職に協力してもらうことによって、
患者がターミナルの時期になっても、在宅医が往診する頻度を減らせたのです。
このような取り組みで、看取り率もアップしたそうです。
理事長は、施設などへの集団診療では、チーム医療を通じた役割分担がより重要になっていると話します。
適切な業務分担は、医師の負担を減らし、医療機関の経営改善にも
つながります。他の職種の協力も得ながら、小さなところから始めてはいかがでしょうか。