「かかりつけ薬剤師」から考えてみる
何かと話題のかかりつけ薬剤師。
薬局の社長からもさまざまな意見を伺います。
・ 薬剤師のあるべき姿だ
・ 社員の負担になるから、そんなに推進したくない
・ 大手企業がどんどん進めているけど・・・実際どうなんだろう?
・ 社員には、もう少し自発的に「かかりつけ薬剤師」をとろうとしてほしい
その中で印象的だったエピソードがあります。
ある薬局の社長は、長年地元で薬局経営をされ
多くの地元住民のかかりつけ薬局・薬剤師となっていました。
国が「かかりつけ」という言葉を推す以前より理想の薬局として成り立ってたのです。
しかし社長は、加算はとっていません。なぜでしょうか?
「かかりつけ薬剤師の加算なんてあるけれど、もともと実践出来ていた」
「患者さんにとってみれば、対応はこれまでと同じなのに値段だけ変わるなんておかしな話だ」
このご意見、皆さんならどう思われますか?
個人的な意見ですが
「社長、そんな事言わずに是非加算を取ってください」と言いたかったです。
なぜなら、
「かかりつけ薬剤師としての仕事は、職員にとって楽なものではない。
それが国に評価され、対価としてお金をもらえることになるのは
会社にとっても、職員にとっても喜ばしいことではないのか?」と感じたからです。
調剤薬局は決して慈善事業ではないですよね。
現場に立つ薬剤師の皆さまは、
日々、目の前の患者様に向き合いながらお仕事をされています。
国の方針、会社の方針、それも考えながら
医療人としての自身の志を貫いていくのは本当に大変なことだと思います。
医療人として、また企業人としてのバランスをとるのは難しいことです。
しかし、それをしっかり考えておかなければ、
「今の会社では、自分のやりたいことはできない!」と
安易に転職してしまうことに繋がるかもしれません。
これから薬剤師飽和時代がくるともいわれており、
キャリアの決定は慎重に行う必要があります。
仕事でちょっとモヤモヤを感じるとき、医療人としてやりたいことと、
企業人としてやらなければいけないことを、立ち止まって考えてみましょう。