「競合」と「連携」
診療圏調査などを元に、開業候補先を探す流れを
以前取り上げました。
開業をお考えの先生方からは、
以下に当てはまるような開業候補先は避けたい、とも耳にします。
・「大学の先輩が近くで開業している」
・「強い競合先(診療科目が同じなど)になるクリニックがある」
その通りだと感じます。
ただ、裏を返せば開業候補先を探す際には、
自分自身が「強い競合先」だと思われるようになることで、
自分より後に開業する医師は自分の近くに開業しないはず、
とも考えられます。
診療圏調査で、強い競合先があれば、
敢えてその周辺で開業はしないからです。
その結果、「強い競合先」周辺には新規開業はできなくなり、
「地域に根付く」クリニックになれるはずです。
一方、患者さまの視点で見てみると、
患者さまはよほどのことがない限り「かかりつけ医」を代えることはありません。
今の「かかりつけ医」に不満がある中で新規開業クリニックを見つけてはじめて、
代えようと思うのではないでしょうか。
つまり、狭い診療圏の中で高い評判を勝ち取れば、その効果は絶大と言えます。
では周りは敵ばかりかというと、そうとも言えません。
ご自身の専門科目と異なるクリニックとは、
「競合先」ではなく、「連携先」として考えるべきかもしれません。
例えば、在宅診療。
夜間や休日対応、看取りなど、24時間365日、
1人の医師で全てを対応することは難しいため、
複数のクリニックが連携して取り組む事例が増えてきています。
また、内科クリニックで耳に風邪の症状が
見られたら、耳鼻咽喉科クリニックに紹介することになります。
連携を図るにあたり、信頼関係は何よりも大切です。
紹介先の医療機関に敬意をはらい、
ご自身の診療方針などをきちんと伝えることが求められるのではないでしょうか。