2018年秋の開業を目指す先生のお話です。
クリニック開業で求められること【その1~6】までは、
開業までの着目ポイントなどを取り上げました。
【その7】に続き、今回の【その8】でも具体的な開業案件を取り上げたいと思います。
なお、現在進んでいる案件のため、
途中までの状況のご報告になります。
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2018年秋の新規開業を目標に進めている
男性の消化器内科の先生のお話です。
私が一番はじめにお会いをしたのは今年2月。
実際に先生のご希望などをお聞きし、
まずは開業候補地探しから始まりました。
◆開業候補地を探した際のポイント
(1) 奥様のご実家の周辺
先生のご実家の周辺は競合となる医院が多くありました。
逆に奥様のご実家周辺は競合が比較的少なく、
新築マンション建設が続き、集患も見込めるということで、
第一のポイントになりました。
(2) ご出身大学から、近すぎず、遠すぎずの距離
ご出身大学にそれなりに近いということで、
土地勘があるエリアであること。
(3) 新規開業もしくは承継開業どちらも検討可能
ただし、承継開業ではクリニックの雰囲気などが気になるということで、
新規開業を優先に考えていらっしゃいました。
なんといっても開業候補地探しが一番肝心です。
ただ、これもご縁ですので、すぐに見つかる場合もあれば、
なかなか見つからず苦労をされるケースもあります。
見つからない場合は、
希望エリアを広げることも選択肢に入れていただくことになるかと思います。
この先生の場合も、候補地が決まるまで半年ほどかかりましたが、
時間がかかった分、良い開業候補先に出会うことが出来ました。
◆医院のレイアウト作成
今回は、地主の方が2階建ての建物を建て、
クリニック(1階と2階)と調剤薬局(1階)が入る予定です。
現在、レイアウトを設計士と詰めているのですが、
1つ検討すべき問題がでてきました。
・「鉄筋」で建てるか、「木造」で建てるか。
「鉄筋」の場合、柱が太く丈夫で、
建物の中央部に梁が必要ないことから、広く面積を取ることが可能です。
一方で、当然ですが柱が太くなるなど建築コストが上がります。
「木造」の場合、柱が細くなるため、
ところどころに梁を入れておかないと地震などに耐えらず、
想定している面積を取りにくくなります。
地主と調剤薬局との間での調整となっていますが、
現時点では、「鉄筋」で建てることになりそうです。
◆その他
今後、卸業者や金融機関の方とお会いいただき、
具体的な内容を詰めていくことになります。
以上が現時点での状況になります。
ざっくりとした内容ではありますが、まず開業候補先が決まれば、
そこからは比較的スムーズに話が進むことが多いかと思います。
裏を返せば、開業候補先が決まるまで時間がかかるケースが多いとも言えます。
診療圏調査の結果も大切ですが、最後はご自身で現地を見ていただいての
「直感」や「ご縁」「タイミング」なども大切ではないでしょうか。