働くスタッフの満足度が、患者さんの満足度に
人材の確保や離職対策という側面もあって、
最近は勤務環境の改善に取り組む医療機関も増えてきました。
そんな中、ワーク・ライフ・バランスが充実していると
注目される医療機関では、必ずと言っていいほど、
「職員満足度の高さが顧客満足・患者満足の高さにつながる」
という言葉が経営トップの口から出てきます。
単に好待遇を提供して人手を確保しようというだけでなく、
職員が働きやすい環境を整えて医療サービスの質を高め、
患者さんや地域に貢献したいという考えが根っこにあるからこそ、
積極的に対策に取り組めるのだそうです。
ところが、ある医療機関ではこんな悩みがありました。
「ほかの病院と比べても、かなり勤務環境が良好なのに職員満足度がそれほど高くない・・・」
その医療機関では、それぞれのライフスタイルに合わせて
勤務時間を柔軟に選択できたり、育児支援もさまざまに行われていたりと
確かに充実した勤務環境を整えていました。
経営コンサルタントにも「これ以上、改善することはないのでは」
と言われるほどだったそうです。
それなのに、職員の満足度につながっていない-?
そこで、これまでトップダウンで行っていたワーク・ライフ・バランス確保の取り組みを、
職員が自ら考え、提案するボトムアップ方式に変えると、
「すっかり慣れて気付かなかったけど、自分たちの勤務環境はこんなに充実していたのか」
「もっと働きやすくするには、こんな工夫をしたらいいんじゃない?」
など、ポジティブな意見がどんどん出るようになりました。
自分たちの勤務環境の改善に、一人ひとりが主体的にかかわるようになった結果、
職員満足度は向上し、さらに働きやすい環境が作られ続けているそうです。
「働きやすい勤務環境」は単に条件や設備だけでなく、
「どんな考えで、どんなふうに環境整備に取り組んでいるか」を
見極めるのも大切なポイントかもしれません。