労働時間・拘束時間を減らしたい。
「労働基準法」とは労働条件に関する最低基準を定めた法律であり、
正社員のみならずパート、アルバイトも含め、
日本国内で営まれる事業に従事するすべての労働者に適用されます。
また、ここで定められている労働条件は「最低基準」ですので、
労働契約でそ基準を下回る合意をしても、その下回る部分については無効となり、
労働基準法で定める基準が適用されます。
そんな労働基準法の第32条で定められている労働時間は以下の通りです。
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労働時間:週40時間、1日8時間
休 憩 :労働時間6時間を超える場合45分、8時間を超える場合→ 1時間
休 日 :1週1日 または 4週4日
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ところが、病院の勤務医の総労働時間は、
約半数が週60時間を超えるというデータもあり、労働基準法の定めを大きく上回っています。
この時間外・長時間労働の傾向は若手医師・大規模病院に顕著であり、
厚生労働省の「医師の労働時間を取り巻く環境について」によれば、
「20代勤務医(常勤)の「診療+診療外」の時間は週平均55時間程度。
これに当直・オンコールの待機時間(男性約16時間、女性約12時間)が加わる」
と発表されています。
しかし、例えば日勤→当直→日勤というシフトは、
勤務医にとっては珍しくはない日常です。
これは労働基準法上ではどのように解釈されているのでしょうか。
『当直は、1日8時間という制限の例外である“監視・断続的労働”(労働基準法第41条3号)にあたる』
と、解釈されているので、
当直は労働時間にはカウントされないとされています。
ただ、この41条3号に該当するのはあくまで、
(1) 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。
(2) 夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院の定時巡回、異常事態の報告、
少数の要注意患者の定時検脈、検温等、特殊の措置を必要としない軽度の、
または短時間の業務に限ること。
(3) 夜間に十分睡眠がとりうること。
というような状態のことであり
夜間救急外来や救急車、または出産などの対応が発生するような状況であれば、
これは労働時間であり法律に違反することになります。
そのほか、患者さんの手術後の様子を診に休日出勤をしたりなどして、
法の定めるところの1週1日の休みすら取得できないケースが医師の場合は散見されます。
しかし、医師の労働時間については応召義務の問題もあり
非常に複雑で現在も改善に向けての議論が続いています。
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もし、先生が「労働時間・拘束時間を減らしたい」という希望で転職をされる場合は、
・労働基準法に則った就業規則になっているのか?
・実際にいま、勤務している先生方の拘束時間はどれくらいか?
(その職場や勤務での常識や人員体制など)
について確認してから、就任を決めるのが望ましいですが、
この点は医療機関のホームページや求人票の記載を見るだけでは、
実情を把握するのは非常に難しいと言えます。
普段から医療機関と密接にやり取りを行っている
キャリアアドバイザーにお任せいただければ
先生の希望も医療機関の実情も細かくヒアリングして転職のご支援をいたします。
ぜひ、ご相談ください。