若いうちにご自身のゆずれないポイントを理解し、いかに準備が出来るかが成功へのカギ!
最近の医療技術の進歩により、一昔前に比べ、
外科医師として長く一線で活躍をされる先生も増えたように思います。
とはいえ、外科というハードな環境に体力や気力の限界を感じたり、
漠然と将来に不安を覚えたりする中で、
やはり多くの外科医師が、どこかのタイミングでご自身の業務を見直すべく、
転職や退局などの大きな決断をなさるケースが多いと感じています。
しかし、いざ、そのような現実を目の当たりにした時に
何の準備も出来ていない先生と、早くから準備を進めてきた先生では
実は、選択肢の幅が大きく変わります。
いつか訪れるその時に向けて、
「外科医師には、どのようなキャリアの描き方」があり
「ご自身が納得のいくキャリアチェンジをするためにどのような準備」が必要なのか?
今までお手伝いをさせていただいた先生方のお考えを元に、
纏めてみたいと思います。
■外科医師のキャリアチェンジ
タイプA:外科にこだわる
(パターン1)とことん外科医として活躍する
診療科や地域にもよりますが、心臓血管外科・脳神経外科などは
大学医局人事でしか勤務ができない場合も多いです。
その場合、転居や別の大学の医局に入りなおすこことが出来る地域以外では
「医局に残る」ことが、最善の道となります。
それ以外の診療科では、医局を退局をして民間病院で活躍をする、
という道もあり得ます。
ただし、外科はチーム体制を重んじることから、年齢構成も大切な要素になるため、
外科部長より年下の先生を求められるケースが多いです。
外科部長が40代という病院もあるため、
転職をお考えになる場合は先生ご自身のその時の年齢が、比較的重要な要素になり得ます。
退局後、民間病院へ転職をすれば、年収が大幅にUPすることも多いため、
お子さまの教育資金などを視野に、民間病院へ転籍なさる先生も少なくありません。
(パターン2)外科だけでなく、他分野にも関わる
前述のように、体力や気力の限界とともに、
外科医師として少しペースダウンをお考えになる際、
先生がお求めの働き方と多くの民間病院が求める部分が合致するケースが多いです。
また、外科の専門医維持のために必要な症例数程度はキープ出来ることが多いことも特徴です。
このケースの場合、主な業務は、
先生のご専門領域の手術対応はもちろんお任せしつつ内科対応もお願いする、
という内容が一般的です。
一般内科対応が入るため、今まで、専門分野に特化していた先生にとっては
多少の勉強やトレーニングが必要なこともありますが、
新たに内科スキルを身に付けることは、
先長い医師人生を考えると良いきっかけと考えられる先生も少なくありません。
タイプB:外科にこだわらない
⇒早めから、専門領域の内科専門医を取得すると有利です!!
(パターン1)外科専門領域の内科へ転科(例:消化器外科→消化器内科)
この転身は、外科医師にとっては、比較的負担が軽い方法です。
とはいえ、特に民間病院の内科は、
「一般内科・循環器内科」のような内科を広く診ていただきながら、
専門分野の患者さんも診るという内科全般の診療を求められるケースが殆ど。
整形外科・脳神経外科ご専門の先生の場合は、
回復期リハビリ病棟でのニーズが高く、多くの募集が出ています
(パターン2)一般内科医
益々加速する高齢化の中、最もニーズの高い分野です。
外科出身の先生は、多角的に物事を判断をしてくださるということで期待されることが多いです。
しかし内科診療の経験が無い分、勤務スタートからしばらくはそれなりに勉強も必要。
とはいえ、50代や60代でも転職がしやすいため、
無理なく、長く、医師として人の役に立ちたいとお考えの先生にお勧めです。
(パターン3)緩和ケア医師
多くの外科の先生方は、がんの診療に携わっておられるため、
患者さんやご家族の間近で、緩和ケアの必要性を感じていた先生もいらっしゃいます。
疼痛コントロールの部分では、麻酔科医師とバッティングをしますが、
実際に病棟で緩和ケアチームを動かしていた先生もいらっしゃるため、
苦痛への寄り添い方などに長けている分、病院側から喜ばれることも多いです。
(パターン4)介護老人保健施設の施設長
外科の最前線から「いきなり老健」へは、かなりギャップが大きいですが、
上記のパターン1~3あたりを経て、
医師として最後のキャリアとして選択なさるケースが多いです。
老健は定額制(まるめ)のため、急性期のように薬をどんどん使うことは許されず、
また、意外と書類に追われたり、
看護介護が主役になれるように統率する立場となるため、
意識をがらりと変える必要がでてきます。
老健は医師が1名のため、内科全般の経験・知識は必要ですが、
病院のように緊急で動かねばならないことはほとんどなく、
心身ともにゆったりと勤務が可能です。
(パターン5)訪問診療
訪問診療に1番必要なスキルは、患者さんやご家族との関係構築です。
その上で、訪問看護介護などとの連携ができる人柄や、内
科スキルがどの程度あるかこのあたりがポイントになります。
また、意外と多いのが、心臓血管外科の先生が訪問診療医になるケースです。
全身管理がお得意で、オンコールにも慣れていらっしゃるため、
先生ご自身が訪問診療をスムーズに受け止められることが多いです。
最近では、オンコールは原則非常勤に任せてしまい、
常勤医師の夜間呼び出しを最低限にする法人も増えつつあります。
(パターン6)その他
開業や産業医など。
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私が今までにお手伝いをさせていただいた
外科医師のキャリアチェンジの主なケースをご紹介しました。
そして多くの外科医師は、
上記のようなキャリアチェンジと一緒にワークライフバランスと
年収UPを手に入れておられます。
全国の外科の先生方、いつか訪れるであろうセカンドキャリアを充実させるため
ぜひ、私たちにご相談をいただければと思います。
先生方からのご相談を、心よりお待ちいたしております。