総合診療医 ~求められることとは?向き不向きがある!?~
普段、先生方の転職のお手伝いをしていると
家庭医、プライマリケア医、ジェネラリストなど
総合診療医の呼び名は様々だなと感じます。
数年前より、頻繁に耳にするようになった「総合診療」という言葉。
とあるアンケートでは、回答者のうち約80%の医師が
「総合診療医の養成が必要」と回答しているようです。
その背景には、「臓器の垣根を越えて診る医師が必要」
「複数疾患を持つ高齢者を総合的に診る医師が必要」など、
高齢化が急速に進んでいる日本だからこそ必要な診療科、というお考えがあるように思います。
このような時代の流れから、2018年度の新専門医制度スタートとともに
「総合診療医」の専門医教育が始まることは、皆さまご存知のことと思います。
現に、私もこの数年の間に、
多くの先生から「総合診療科への転向」についてご相談をいただいています。
例えば
●現在はカテーテル治療を第一線でなさっている循環器内科ご専門の先生
●基幹病院にニーズはあるが、地域では決して求人が多くはない血液内科ご専門の先生
●今は外科でオペレーターとして執刀している先生
など、それぞれのご専門は様々です。
何となく定義が曖昧な総合診療医、
何が求められていて、またどのような方が向いているのでしょうか?
≪総合診療医師に求められること≫ ※日本プライマリ・ケア連合学会
1. 患者を多角的に診る
2. 家族・生活背景まで診る
3. 地域全体を診る
上記1~3をご覧になり、どのような印象をお持ちになるでしょうか?
ただ、総合診療医とは「専門を持たない総合医=スキルが身に付くか不安」という
イメージをお持ちになり、転向に不安を感じる先生がいらっしゃることも事実です。
先日、一線で活躍されている総合診療の先生にお会いする機会がありました。
その先生が仰るには『総合診療医に必要なスキル』は、実は結構奥が深いようで、
●病歴と診察から診断を絞り込む臨床推論スキル
●倫理・心理・社会問題解決スキル
●臨床研究スキル
などの【横断的スキル】という専門性が必要なのだそうです。
総合診療科の医師は、患者様や他科の医師など様々な人から話を聞き、
診断や治療方針を決めることを求められます。
各科のスペシャリストだけでは、なかなか難しい診療です。
疾患に関する知識は広く浅くにはなりますが
決まった手段・形が無く、環境に合わせて必要な医療を提供する、
それが総合診療医の仕事と言えるのかもしれませんし、
そこに、やりがいと、日本の未来を支えるニーズがあるのではないでしょうか。
そして、私たちのような転職のお手伝いをしているキャリアアドバイザーから見ると
「スペシャリストからの転向により、一通り何でも診ることができる医師になれる」
そんな印象があるのがこの総合診療医です。
2024年頃に医師の供給が需要を上回るという推測もあります。
(厚生労働省医師需給分科会・平成28年3月)
ひょっとすると、総合診療医師への転向は、先生ご自身の医師人生を有意義にする、
高齢化社会で長く必要とされる存在でいるための【キャリアアップ】になるかも知れません。
今後のキャリアについて悩まれている先生がいらしたら
ぜひ、お気軽に私たちキャリアアドバイザーへご相談ください。
先生にとって、どのようなキャリアを描くことが理想なのか一緒に考えてまいります。