超高齢社会に向けて、増え続ける地域包括ケア病棟。
2014年の診療報酬改定で新設されて以来
地域包括ケア病棟はどんどん増え続けており
「今後医師の仕事から切り離せなくなる」とも言われています。
新設以降、一般病床からの転換が続いていましたが
最近では、療養型病院が今後の生き残りをかけて転換するケースも増えているようです。
つまりこれは、先生ご自身が、現在お勤めの病院で
そう遠くない将来、「地域包括ケア医」になるかもしれない、
ということを意味しているとも言えます。
本日は、今後、医師である以上は無視できない「地域包括ケア病棟」について
まとめてみたいと思います。
地域包括ケア病棟の役割は、【在宅復帰支援】です。
地域包括ケア病棟は、高度な医療を提供する急性期病棟とは異なり
急性期治療後の病状が安定した方、在宅や介護施設で療養している患者の急性増悪に対して
在宅や介護施設への復帰支援に向けた医療や支援を行う病棟です。
各病院により、地域包括ケア病棟へ入院されている方の状況・内容は多少違いますが
「亜急性期」と思っていただくと、分かりやすいかもしれません。
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では、この地域包括ケア病棟に勤務する医師に求められることは何でしょうか?
それはずばり、「全人的医療」かと思います。
急性増悪へのある程度の対応や認知症の理解など、守備範囲が広いことも必要ですが
病に苦しむ方やそのご家族に対して温かい人間的アプローチにもとづく治療ができること
それがこの病棟で必要なスキルです。
ただ急性期などでは問題にならないようなことで
地域包括ケアでは注意すべきこともあります。
・自宅では在宅療養ができる状況かどうか?
・療養場所(寝室)が2階なら、家の改装などが必要になる可能性が高いが
現実的にできるかどうか?
・一人暮らしで頼る親族がいない方の場合は、どうするのか?
など、各患者の生活背景などを大切に
それぞれに合せた計画を立て、目標を設定していくことが必要です。
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今後の時代の流れで、
先生ご自身が地域包括ケア病棟で勤務をすることになる可能性がゼロではありません。
いつそのような事になっても良いように、
準備をしておくことをお勧めいたします。