最近、薬剤師も「対物から対人へ」と言われれるようになり、
これまで以上にコミュニケーションスキルを求められることが多くなりました。
そのような流れの中で、
薬剤師にも「接客」の要素が強く求められるようになってきています。
私自身も一患者として、これまでは『薬局=薬を受け取るところ』という認識が強く、
いわゆる一般的な「お店」と同じようには捉えていなかったのですが、
最近は薬剤師の皆さまの対応スキルも上がってきたからか、店舗ごとの対応の差を感じ、
時として「あちらのお店の方が良い対応をしてくれる」という物差しで
薬局や薬剤師の方を見ていることに気づきました。
また、採用する薬局側でも、薬剤師に高いコミュニケーションスキルを求める法人も増えています。
そのような流れの中で、患者側から求められる対応のレベルも高くなっていると予想され、
それが当たり前になるとちょっとしたことで不満=クレームが発生したりもします。
よく薬局で起こるクレームとしては、
・待ち時間が長い
・説明不足/説明が長い
・接客態度への不満
・料金について
など様々です。
そこで今回は、基本的なクレーム対応についてお話します。
《 クレーム対応の基本 》
基本1 お詫びをする
事実を確認する前に「お詫び」をすることに何となく抵抗感があるかもしれませんが、
「気分を害してしまったことに対してお詫びします」という姿勢は必要です。
これがないと、相手はよりヒートアップして、
次のステップへ進みづらくなってしまいます。
基本2 とにかく相手の話を聴く
クレームというのは、理不尽なものも多いので、
ついつい途中で「それは違います」「それは誤解です」などと
口を挟みたくなってしまうものです。
でも、ここはぐっと我慢をして、
とにかく相手の言い分の聞き役に徹することが大切です。
また、相手を少しずつ落ち着かせて冷静さを取り戻してもらうためにも、
時折、うなずいたり、「そう感じられたのですね」などと
相槌を打ちながら思いを徹底的に吐き出してもらうのが得策です。
基本3 事実確認をする
ここで初めて、相手の言い分が正しいのか、事実誤認などがあるのかを明確にしましょう。
そして、できるだけ具体的に確認した工程や目に見える事実を提示します。
クレームに対して、しっかりと事実確認している姿勢を見せることも、
相手の怒りを収める効果が見込めます。
基本4 解決策を提示する
非があることが明らかになった場合は、誠意をもって謝罪することが一番大切です。
そして相手の立場に立って解決策を提案します。
出来る限りの解決策を提示し、誠意を示すことは大切ですが、
あまりにも理不尽な要求をされるケースもあると思いますので、
その場合は毅然とした態度で、「ここまでしかできない」と言うことも必要です。
また、相手の誤認であっても、責めることなく穏やかに対応します。
その方が、相手の反省を促すことに繋がります。
基本5 クレームに感謝する
クレームは確かに受ける側からすると嫌なものですが、
こちらのために、「少しでも良くなるように言ってくれているのだ」と捉えることができれば
感謝の気持ちを持つこともできるのではないでしょうか。
人の感じ方は様々で、世の中には色々な方がおられます。
その「色々な方」の対応の経験を一つ積むことができただけでも得をした、と思うことです。
そうはいっても、誰でもクレームは避けたいもの。
普段から、相手の立場に立って小さなことにも気を配り、
未然に防ぐ対応スキルも身に付けておきたいものです。