年収◯◯◯万円だけで、確認は十分でしょうか?
求人を探す際、「年収◯◯◯万円以上」という検索方法で
探される方は多いと思います。
求人サイトの仕様もそのようになっていることが多いです。
では、給与条件の詳細を確認する際に、
「年収◯◯◯万円以上です」という説明だけで納得されていますか?
正直に申し上げると、
説明をされた年収が前職の年収と同等レベル、
もしくは少し上がった程度の場合、
転職後の初年度の年収は下がるケースが多くなるはずです。
理由は、その医療機関が月給制の場合、「年収=月給+賞与」となるため、
入社時期によっては初回の賞与が満額支給されず、
結果として初年度の年収が下がってしまうためです。
それならば、ということで、
転職初年度年収を確保するために「年俸制」を希望しますと
おっしゃる方もいます。
では、単純に「年俸制」だったら良いのでしょうか?
今回は「月給制」と「年俸制」の違いについて、お話します。
それぞれのメリット・デメリットについて整理してみます。
□月給制のメリット
・毎年おおむね安定した収入を得ることができ、年次で定期昇給がある会社であれば、
勤続年数に応じて年収UPが見込める
・直近の業績や評価が賞与という金額で分かりやすく提示されるため、
モチベーションが保ちやすい
・個人評価だけでなく会社の業績が大幅に上がれば、臨時で還元されるケースも少なくない
□年俸制のメリット
・賞与額に左右されることなく1年間の収入額が決まっているため、
生活面の計画が立てやすい
・一度年俸額が決まると、成果にかかわらず年収額は変わらないため、
1年間を通しての安定性は高い
一方で、デメリットはどうでしょうか?
■月給制のデメリット
・昇給額が大きくないため、賞与や評価が上がっても
年俸制ほど大幅な年収アップは見込みづらい
・賞与の計算期間に不在になればその分の評価・支給額が下がってしまう
・会社の業績によってはボーナスの減額により年収がダウンしてしまうケースもある
■年俸制のデメリット
・勤続年数に関わらず、成果によって毎年報酬が見直されるため、
年収が大幅に下がるケースがある
・1年間の生活設計は立てやすいが、数年単位では変動が激しくなるリスクがある
・一度下がってしまうと、原則1年間は見直しがされないため、
モチベーションが保ちづらい
・残業代が含まれているケースが多く、実際に勤務してみると、
年俸額以上の残業をしていた・・・というケースがある
転職初年度については、年俸制の方が下がるリスクは少ないと言えますが、
2年目以降については、想定される年収額が同じであれば、
年俸制でも月給制でも年収に差はありません。
毎年成果を出すことに自信があり、
結果によって減俸となることを受け入れられる環境の方にとっては、
年俸制が好ましいと感じられるかもしれません。
一方で、プライベートの環境も変化する可能性がある中で、長く勤務されたい方にとっては、
月給制の方がモチベーションが保ちやすいと思われるかもしれません。
ご自身の転職の目的と展望をしっかりと定めていただき、どちらの給与形態が良いのか、
またどちらでもいいのか?をしっかりと見極めておくと、
入社後に「思っていた年収が得られない」ということが避けられるはずです。