普段、薬剤師の方の転職支援をさせていただく中で、
薬剤師という職業は、『患者様に寄り添えるコミュニケーション能力を求められる』
というお話をよく伺います。
実際に自分自身が患者の立場になって、
本当にそうだなと思った出来事がありました。
お恥ずかしい話ですが、年明け早々に転倒し、
右足の捻挫と、左ひざに深い擦り傷を負いました。
どうしても対応しなければならない用事があったのですが、
左ひざの擦り傷から血が止まらず、
とにかく応急手当をすべく調剤併設ドラッグストアへ駆け込んだ時の薬剤師の方の対応です。
ガーゼと包帯を購入しようと思い陳列場所を聞いてみると、
「どうされたんですか?」という確認から始まり、怪我の状況を聞いてくださり、
それならばこっちのほうが楽に手当てできると、ガーゼ付き絆創膏を案内してくれました。
また、「消毒液や薬は家にありますか?」「あ、ないです」というやりとりから、
傷の深さや出血量などを更に詳しく確認して、適切な薬をすすめてくださいました。
料金を払う間も、「年始早々災難でしたね、きっと代わりに何かいいことがありますよ。」
と声をかけてくださり、いい歳をして転んだ恥ずかしさと、
傷の痛みに耐えていた私の気持ちを軽くしてくれました。
応急処置を済ませて整形外科で捻挫を診てもらってから、
ふと、お風呂に入る時に濡れるとしみるな・・・と思い、
保護フィルムを購入しようと、別の調剤併設ドラッグストアへ行きました。
1件目と同じように薬剤師の方に聞いてみると、
陳列棚まで案内してくれました。
大きさと、何枚くらいいるかなと迷っていると、
「こんなのどこでも売ってますよ」と言ってその薬剤師の方は
レジへ戻って行かれました。
「どこでも売っているからそんなに迷わなくてもいいですよ」という、
親切心だったと思いたいのですが、何となく面倒くさそうに対応された印象が強く、
なぜそれを求めたのかも確認してもらえなかったことに、
何となく不満を感じました。
めったに起こらない怪我をしている状態の中で、
1件目の薬剤師の先生の、
怪我の状況を詳しく確認して適切に薬などをすすめてくださった安心感と、
痛みで沈んだ気持ちを汲み取って声をかけてくださった心遣いは、
本当にうれしいものでした。
怪我や病気の時は、医療の専門知識のない人間にとっては不安しかありません。
そんな時、専門知識を持った方の適切な処置や対応はもちろん必要で大切なことですが、
と同時に、何を聞いてもらえて、どんな言葉をかけてもらえたかが、
想像以上に気持ちを左右するものだと実感しました。
これが、よく聞く「患者の気持ちに寄り添う」という対応なのかなと思います。
「病は気から」とはよく言ったもので、医療に従事されている方々は、
こういったところのケアも、重要な仕事として担っておられるのだなと思います。
そんな皆さまが存分に力を発揮され、
ご活躍されるフィールドを転職支援という形でご提供していけるよう、
私も気持ちを新たに取り組みたいと思います。