転職先が決まり、いざ退職を申し入れたものの、
引き止めにあいなかなか退職日がきまらないというお話はよくあります。
ある薬局法人の社長は、
「薬剤師が働く業界は広そうで狭いモノ。
だからこそ、前職にも誠意ある退職交渉と引継ぎをしてから入社して欲しい」とおっしゃいます。
内定を勝ち得ると、新たな就業先を中心に考えるようになり、
退職を焦る気持ちも当然といえば当然なのですが、
「しっかりと円満退職できるかどうか!?」も新たな就業先からの評価の一つになり得るのだと思います。
そこで、スムーズな退職交渉のポイントをご紹介したいと思います。
(1)就業規則を確認しておきましょう
民法では、正社員いわゆる期間の定めのない雇用の場合は
退職申し入れをしてから2週間で退職が可能とされています。
しかし、多くの法人では就業規則に
「退職日の何日前までに退職申し入れをすることと」などと定めている場合があります。
転職活動を始める前に、就業規則で退職申し入れから退職日まで
どの程度の猶予が必要なのか確認しておきましょう。
また、この就業規則で定めた期間に有給消化は含まれていないケースが多いので、
その点も考慮して退職日を決めることをおすすめします。
(2)「退職願い」ではなく、「退職申し入れ」を行いましょう
これもよくあるケースなのですが、「退職したい」と「退職する」では
意味合いが違います。
退職するor しないの「相談」ではなく、「決定事項」として報告することが必要です。
「相談だから引き止めることも可能だ!」と誤解されてしまうと、
ズルズルと退職日が決まらないという事態になりかねません。
就業規則に定められた猶予を持って退職日を決め、
「●月○日で退職いたします。有給休暇の取得を希望しているので
最終出勤日は▲月△日にさせていただきます」
というように申し入れをすると誤解されることも少ないでしょう。
(3)引継ぎは主導的に積極的に行いましょう
よくあるのが、「誰に引き継いだらよいのか指示が無い」「後任者がいない」というケースです。
退職日が決まっている以上、残された時間には限りがあります。
会社からの指示が無かったからと言って放り出して退職という訳にはいきません。
指示がもらえなければ、受け身になるのではなく積極的に自ら確認してください。
後任者がいないというのであれば、一人ではなく複数名=会社に
あなたの業務を引き継ぐことを主導的に考えて提案すべきかと思います。
どういう理由であろうとも、自分の意志で勤めてきた仕事です。
積み重ねてきた仕事を残し継承する責任があります。
業務を受け取る相手の負担を少しでも減らせるよう誠意をもって対応しましょう。
“立つ鳥跡を濁さず”です。
そして何よりも忘れていただきたくないのが、「お世話になった感謝を伝える」という事です。
最終日には、お世話になった会社に、しっかりと感謝の気持ちを伝えてください。
前職に誠意を尽くしてこそ、新天地で活躍できると思うのです。