自己分析を行う方法の1つに、キャリア・アンカーという理論があります。
キャリアアンカーー
自らのキャリアを選択する際の、
最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のこと、
また、周囲が変化しても自己の内面で不動なもののことをいう。
アメリカの心理学者エドガー・シャインによって提唱された。
キャリアアンカーの分類ー
シャインは主なキャリア・アンカーを
(1) 管理能力 : 組織の中で責任ある役割を担うこと(を望むこと)
(2) 技術的・機能的能力 :自分の専門性や技術が高まること(を望むこと)
(3) 安全性 :安定的に1つの組織に属すること(を望むこと)
(4) 創造性 :クリエイティブに新しいことを生み出すこと(を望むこと)
(5) 自律と独立 :自分で独立すること(を望むこと)
(6) 奉仕・社会献身 :社会を良くしたり他人に奉仕したりすること(を望むこと)
(7) 純粋な挑戦 :解決困難な問題に挑戦すること(を望むこと)
(8) ワーク・ライフバランス:個人的な欲求と、家族と仕事とのバランス調整をすること(を望むこと)
の8つに分類した。ーWikipediaより抜粋
私自身はキャリアコンサルタントの勉強や講習で自分のキャリアンカーを知る機会があり、
結果は以下のようなものでした。
(7) 純粋な挑戦
(1) 管理能力
(5) 自立と独立
の順番で高く、上位2つは群を抜いて高い傾向でした。
私自身は『技術的・機能的能力』が高いのではと想像し、
周囲にもそう言われていたのですが、
結果を見るとそれほど高くはありませんでした。
今思い返すと、当時、専門的な知識を必要とする仕事で、
必要に駆られて様々な技術や機能を磨いていましたので、
そのイメージに引っ張られていたのかもしれません。
または、もしかすると専門性の追求が
(7)純粋な挑戦 につながっていた、という見方もできるように思います。
現在は家庭も持ち子供もいるため
『ワーク・ライフバランス』が高くなっているのではと
密かに期待していましたが、結果は変わらず・・・
なるほど、周囲が変化しても自己の内面では不動というのはこういうことかと納得しました。
キャリアアンカーは、
「何をしたいか」ではなく「どのようにしたいか」であり、
それが、やりがいを見つける手段、
そして「何を大切にしてどのように仕事に取り組むのか」ということにつながります。
現在の仕事で大きなストレスを感じられている場合、
キャリアンカーが満たされていない可能性があります。
ご自身のやりがいは、どのように仕事をすることで満たされるのかがわかれば、
ストレスは軽減できるかもしれませんし、
転職活動においても、大いに役に立つはずです。
調剤薬局の経営環境が厳しさを増す中、
特に都市部を中心に特色のある薬局が増えてきたように思います。
また、今後さらに増えていくでしょう。
私たち人材紹介会社も、単なる条件の羅列ではなく、
薬局・法人ごとの特徴やカラーをくみ取って、求人に反映させなければと思っています。
転職をお考えの方も、「どのように働けるのか」「どのような社風なのか」という視点で
転職活動を行うことで、キャリアアンカーを満たす会社に出会えたら素敵ですよね。
特にお休みや年収などの条件で転職を繰り返してきてしまった方は、
実は「(8) ワーク・ライフバランス」が高位ではなく、
もっと他にご自身を満たすアンカーがあり、それを満たす転職が必要なのかもしれません。
キャリアアンカーはインターネットなどで調べることもできますし、
より詳しくお知りになりれたい方は書籍もたくさん出ています。
機会がありましたら一度ご自身のキャリアアンカーを知り、
自己分析を行ってみると、改めてもしくは新たな自身の望みがわかるかもしれませんね。