北海道にお住まいの薬剤師の皆さん、 北海道内の薬剤師の平均給与をご存知でしょうか。
北海道人事委員会が2018年度勧告に際して実施した、
今年4月の民間給与実態調査結果によると薬剤師の平均給与は以下の通りです。
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平均年齢 平均支給額(時間外手当を省いた金額)
薬局長 2018年度 50.8歳 451,240円(451,019円)
2017年度 53.4歳 561,348円(548,811円)
薬剤師 2018年度 36.4歳 342,170円(321,470円)
2017年度 37.4歳 392,039円(352,028円)
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前年度より平均年齢が下がり、平均支給額も低くなっていました。
当然、平均年齢が下がったことが支給額低下の要因の一つではあると思いますが、
診療報酬改定などの影響もあるはずです。
日々、医療機関、薬剤師の方とお話をさせていただいているコンサルタントの視点で、
なぜ支給額が低下したのかを考えてみます。
様々な理由が考えられますが、私は3つの点に着目しました。
一点目は、2003年以降に薬学部の大学の新設が急増し、
薬学部の定員自体が増えている点です。
単純に薬剤師の数が増えているということです。
給与は需給バランスで決まるという側面もあるため、
薬剤師の供給が増え、充足の医療機関が増えるほど、給与は下がる傾向にあります。
(特に北海道でも中心部は充足傾向が強くなっています。)
二点目は、2009年に施行された登録販売者制度により、
薬剤師ではなくても一般医薬品の販売が可能になった点です。
これによりドラックストアではOTC販売に薬剤師が不要になってしまいました。
つまり、そこで活躍していた薬剤師が調剤薬局や病院に流れてきている可能性があります。
そうなると、一点目同様、供給が増えることで給与が下がる傾向です。
三点目は、医療機器の進歩により調剤を機械で行えるようになってきた点です。
取り入れているところでは半分以上が機械でまかなっているところもあると聞きます。
経営的な視点では、初期費用はかかりますが
長い目を見ると機械での調剤は経済的で効率的ですよね。
これにより薬剤師の需要が減ることになり、結果的に給与を押し下げます。
以上、三点から言えることは、薬剤師の供給が増え需要が減ることで、
今後は「選ばれる薬剤師」になることがポイントとなるということです。
実際に、ご相談をいただく医療機関からも、
スキルや専門性のある薬剤師のニーズが増えてきています。
もちろん、転職するにあたり、給与等の条件面も大事なポイントです。
しかしながら、採用する側からみると、スキルに見合った薬剤師を雇い、
それ相応のお給与を支払うことがウィンウィンの関係であり、
患者様のためにもなります。
給料面で転職先を選んでしまうのか、はたまた、
ご自身の将来を見据えて「選ばれる薬剤師・生き残る薬剤師」になるために転職先を選ぶのか。
こういった現状や医療行政、医療経済を先読み・考慮した上で
転職を考えていただきたいと思います。
ぜひ検討の参考にしてみてくださいね。
※参考コラム
給与を上げたい人はどこで働くべきか?
高額年収が出る3つの理由