転職活動には、大きく分けて2つのパターンがあります。
1)休みや給与、勤務時間などを中心に考える希望条件型
2)会社規模や福利構成、社風などを中心に考える環境型
もちろんどちらも満足できる内容であれば、問題ないのですが、
最終的にどの内容を優先するのか順位をつけて、
選ばれているという方が多いのではないでしょうか。
今回は、
2)会社規模や福利構成、社風などを中心に考える環境型
の落とし穴について、
実際の事例をもとに説明します。
【ケース(1) Aさん 30代後半 男性
中小規模(従業員数約200人)の調剤薬局に勤務 年収600万円】
30代半ば~後半にかけて、自分自身の仕事に対する考え方や方向
見つめ直す方は非常に多いのではないでしょうか。
業務のマンネリ化からの脱却として、挑戦の道を選んだAさん。
新たな職場は、
・会社の規模は個人経営(従業員10名弱)の調剤薬局
・挑戦という二文字が好きな社長はチャレンジすることにはお金は
・年収は現在の給与より数百万アップ。
Aさんにとっては、給与もUPし、モチベーションも高く保ちなが
新たな環境でチャレンジすることを選びました。
もともと社長のビジョンとして、『地域医療の活性化』を強く考え
その話に共感を得たAさんは、社長のもとで働く決心をしました。
入社前に聞かされた具体的な内容は、
『薬剤師会との連携の確保』、『周辺薬局との医療連携の確立』な
前向きな内容ばかり。
この内容を疑いなく、スタートダッシュできると信じたAさん・・
ところが、蓋を開けてみると、
社長の思い込みであり、周辺薬局との連携どころか、まわりは敵ば
それでも、その状況を覆そうとAさんは必死でもがきましたが、為
そのうち、給与の無条件カット。
薬局の経営も徐々に傾きかけ、気づけば泥舟に・・・
最終的には、将来性の見えない会社に耐えきれず、Aさんは1年で転職すること
思わぬ回り道となり、後悔の日々を過ごすAさん。
※ ※ ※ ※
ではAさんは、何が不足していたのでしょうか?
どこを慎重に考える必要があったのでしょうか?
【Aさんの反省点】
●何が不足していたのか?
・入社前に疑う目
→何もかを鵜呑みにしたAさん。
冷静に考えると、現実的には難しい内容ばかり。
給与アップとチャレンジを理由に簡単に判断し
・経営者との連携(報・連・相)
→こちらは入職後になりますが、経営者の悪い評判ばかりを聞かさ
またいくつか直接相談するものの、期待していた内容の回答はゼロ
いつしか経営者との距離をとるようになる。
最後は行動することさえ、あきらめてしまったAさん。
今回の上記ケースからもわかるように、
冷静な目で、かつ自分自身の立場と相手の立場で物事を判断できるかにより、
自分自身のものの考え方や人生の歩み方が、
より現実的に見えてくるのではないでしょうか。
薬局を取り巻く環境は、
今回の診療報酬改定に伴い更に厳しくなってきており、
それに伴う薬局のM&Aや閉局などで、
薬剤師も飽和状態になるという予測も出てきています。
その中で、薬剤師としてどう生き残っていくのか。
どのような武器を活かしていくのか。
どのようなビジョンで地域医療に貢献していくのか。
転職活動をするしないにかかわらず、 考える必要があるはずです。
未来を完全に予測することは不可能です。
ただ、転職にあたっては、上記の内容とともに、
『今後の業界の流れ』 『会社の経営方針(方向性)』 を理解することにより、
自分自身の進むべき道が自ずと開けてくるのではないでしょうか。
大きな一歩がお一人では踏み出せないのであれば、
少しでも夢に近づく一歩を踏み出すために、
私たちキャリアアドバイザーにぜひ一度ご相談下さい。